特殊車両事業 空輸型多機能車

用途 災害支援・対策

災害時の救世主!空輸型多機能車で迅速復旧を実現。

災害発生時、孤立した地域の人々にとって、通信網の復旧はひとつの生命線といえ、救助活動において最優先されるべき事項の一つです。迅速に通信網を回復させる災害対策を企画するNTTドコモ九州支社災害対策室様よりご依頼を頂き、北村製作所は陸上自衛隊のヘリコプターで空輸可能な「空輸型多機能車」を開発・製作しました。

今回、この斬新な取り組みの背景、その成功事例、そして未来への展望について、関係者様(お二人・NTTドコモ九州支社 災害対策室/主査 小野裕斗様、ドコモCS九州 アクセス・リンク運営部 無線技術担当 服部聡様)にお話を伺いました。

空輸型多機能車を開発したエピソードを教えてください

  • 小野様/NTTドコモ九州支社NTTドコモは災害に強い通信サービスの提供のため、独自の災害対策室を行っています。2011年の東日本大震災をひとつの契機にし、NTTドコモは災害対策をより一層強化してきました。しかし、近年九州地方では、熊本地震(2016年)、九州北部豪雨(2017年)、令和2年7月豪雨(2020年)など、甚大な被害をもたらす自然災害が頻発しています。こうした災害の教訓から、道路が寸断された場合でも、迅速に復旧できる手段が必要とされました。そこで、陸上自衛隊ヘリコプターで空輸できる車両を開発することで、災害地域にも迅速に通信設備を送り届けることを目指しました。

空輸型多機能車に、どのような災害対策を期待されていますか

  • 小野様/NTTドコモ九州支社:「空輸型多機能車」の開発は、災害時における通信環境復旧スピードと範囲を向上させるために始まりました。陸上自衛隊との協力のもと、災害現場への迅速な輸送と設置を可能にするこの車両は、災害対策の新たな手段となりました。

陸上自衛隊との共同訓練について教えてください

  • 服部様/ドコモCS九州: 「空輸型多機能車」による、陸上自衛隊との共同訓練は今回が2年目であり、その有効性を実感しています。実際の災害復旧活動は時間との戦いといえます。その状況下で、陸上自衛隊といかにスムーズに連携を取り、迅速に対応するかが重要だと共同訓練を通じて、改めて実感しています。今後も継続して訓練を行うことでスキル向上と社員育成にも努めていきたいと思います。実際の運用はまだですが、災害地域の通信を早く復旧させるためにはこの車両が重要な役割を果たすと確信しています。訓練での気づきを次回の訓練に反映し、安全に遂行できるよう、引き続き御社と連携し対応していきたいと思います。今後とも宜しくお願い致します。

当社製品についてと、北村製作所に今後期待したいことをお聞かせください

  • 小野様/NTTドコモ九州支社:災害時における基地局のサービス中断をいかに早く復旧させるかが私の所属する災害対策室のミッションであり、その一つの手段として、「空輸型多機能車」等、北村製作所の特殊車両は不可欠なツールです。災害地域の特性に合わせたさらなる改良(車両の小型化やパワー向上)、運用の柔軟性を高めるための進化を期待します。
  • 服部様/ドコモCS九州:通信障害復旧後の避難所の方々は、携帯電話で家族や友人と連絡を取れると、安堵の表情を浮かべながら、大変喜んでくださります。そんな喜んだ表情や感謝の言葉は我々にとってとても励みになります。御社製作の車両は災害復旧活動の重要な役割を担っています。これからも、車両の開発や追加架装を使用環境に応じて相談致します。引き続き宜しくお願い致します。

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